声優の最大にして最強の武器といえば声です。ではそもそもいい声とはどんな声質のことを指すのででしょうか?
これを考えるにあたり、まず一番良くないのは自分の声質をわかってないことです。
声質によって声優ができるできないはありますし、もしかしたらあなた声が声優業界を揺るがす声になることだってありえます。
ということで現在声優業界で主流の声質、個性的な声質、絶滅危惧種扱いされてる声質、といった部類分けをして声優として可能性があるのを検証してみましょう。
いい声質じゃないと声優になれないのか?
「いい声だよね~」
歌はさておき、日常生活で言われる人いますよね?
そして声優は「みんないい声」という印象が大きいです。
恋愛においても
- 見た目や表情、しぐさ50%
- 声や話し方40%
- 話の内容10%
と言われるくらいで見た目同様、声がいいだけで半分は恋愛で勝っていると言われるくらいです。
声は生まれ持ったものだから変えようと思ってもそうそう変えられないのが実情。
しかし、声優は全員元からいい声だったのかといえばそうではありません。
いい声の種類は2つ
大きなくくりで分けるといい声というのは2種類しかありません。
生まれた時からいい声が出るのどを持ったいわゆる天才型。
元々はいい声ではなく、コンプレックですらあった声をトレーニングと工夫でいい声に聞こえるように鍛えた声。
そもそも声は、喉にある声帯を空気が通るときに振動で震えることで発生する「音」になります。
振動数によって高低が違ってきますし、それは声帯の形や大きさなどでも変わってきます。
そんな声ですから人によって好き嫌いも当然あって、どんな声がいい声なんて本当にあいまいです。
声優のインタビューでよくあるように、声がコンプレックスで、声でいじめにあっていたという人もいます。
声優のほとんどは声優になるために、トレーニングをした結果いい声になっています。
(そう考えると、悪い声→鍛えてない声といったほうが良いのかもしれません)
いい声の出し方とは?7種類の声質
では、トレーニングでいい声を出せばいいわけなのですが、どんな声の出し方があるのでしょうか。
声の出し方には7種類があります。
- ウィスパーボイス
囁いたり、息が切れたような静かで小さな声の出し方。
- ファルセット
優しい声です。
- エッジボイス
ザラザラさせて声をざらつかせた感じの声。
パンクバンドやワンオクのライブとかですごく盛り上がる部分は実はこの声を使っていますが、実は声帯がいちばん力が抜けた脱力している状態で喉には優しいです。
- チェストボイス
地声です。胸に響かせる声ってよく言われるのはこれのことです。
これを最大限に鍛え上げると常時いい声になります。
- ミドルボイス
限りなく地声に聞こえる裏声です。
他の声と違って声量がないと出ない声なので、鍛えないと出せないです。
- ミックスボイス
素人が聞けば、ほとんどミドルボイスと同じですが、裏声にも聞こえるような微妙な表現の声です。
アニメの演技は距離感が大事ともいわれるものなので、普通の距離ならチェストボイス、距離が近ければウィスパーボイス、ゾンビでヘッドバンキングするならエッジボイスなどを体が瞬時に判断して出せるようにしなくてはいけません。
出せるようになるためによく言われる「腹式呼吸」とか「腹だけで体を支えてリラックスして声を出す」など必要になってきます。
【向いてる声の高さって?】アニメ?ナレーション?吹き替え?
トレーニングは必要というのは分かりましたが、アニメやナレーション、吹き替えに向いている声の高さというのもあると思うのですが実際どうなのでしょうか。
いい声以外にも大切なのが声の高さですよね?
簡単に言うと、高音、中音、低音です。
アニメ、ナレーション、吹き替えで求められるものも違いますが、それはないように寄るところも多いです。
なので現在放映中の作品などの傾向を踏まえて、男女別で使われやすい声の高さを見ていきましょう。
アニメ向きの声
アニメは作品によって主役に求められる声質が作品によって一番左右されます。
独特なキャラクターも多いので個性的な声質の起用も多いです。
2010年代は高音の声優が主役に起用される作品が多く、地声で高音が出せるというだけで事務所に所属できたりする気もありました。
しかし作品の雰囲気も変わってきて、小説のアニメ化やグロい作品も増えていくにつれ、
高音トレンドから安定している中音、さらにはゴブスレ(ゴブリンスレイヤー)やバビロンなどの作品でもわかるように梅原裕一郎さんや武内Pみたいな低音の主人公起用も増えてきています。
女性声優の場合はヒロインもバラエティー豊富で分かりづらいですが、やはり安定しているのは中音で、
幼女系の場合は高音になってきます。
男性版
主人公系=高音、中音、低音
サブキャラ=高音、中音、低音
敵キャラ=低音が多い
モブキャラ=なんでもOK
女性版
ヒロイン=中音
サブヒロイン=中音
サブキャラ=高音、低音
モブキャラ=なんでもOK
いっぱつ屋キャラ=高音、中音、低音
幼女=高音
男の子キャラ=中音、低音
ナレーション向きの声
ナレーションはいつの時代も変わらず安定した中音、低音があります。
ただ声優指名で起用されることも多く、種類も増えてきてはいます。
男性版
CMナレーション=中音、低音
映画版宣=中音、低音
アナウンス=低音
ディズニーランド=山寺宏一と森川智之(エントランス)の支配下
女性版
CMナレーション=中音、低音
映画版宣=中音、低音
アナウンス=低音
吹き替えに向いてる声質
吹き替え声優も昔から低音がいいと言われていますが、その理由は
「俳優の顔と声質が合っていそうだから」です。
映画の原音を聞くと声質はやはり日本人よりは低いのが平均的です。
なので高音の起用は今現在もされていません。
男性版
主人公系=中音、低音
サブキャラ=中音、低音
敵キャラ=低音
いじめっ子=中音
女性版
ヒロイン=低音
サブキャラ=低音
脇役=低音
すぐ死ぬ系=低音
声優業界で求められている声質「低音」
こう見ると今現在声優業界で求められている声質は「低音」になります。
声優を目指し始める人は若年化が進んでいて10代~20代前半がメインでほとんどが軽い声「高音」です。
そのため必然的に低音の枠はがらあき状態。
昔は高音なだけで所属できましたが、現在は逆に「低音」だけで所属チャンスが大幅に上がっています。
個性的な声質はどうか?
高音、低音とか関係なく声質が個性的な人もいますかその場合はどうなんでしょうか。個性的な声って声優になりやすいといいますよね。
個性的な声質は得といいますが、その理由は以下のものになります。
個性的な声質が得な理由
- 一回で覚えてもらいやすい
- 1度はまりキャラが来ればそれ以降似たキャラの仕事が来やすい
個性的な声質はいい意味でいえば覚えられやすいです。
しかし悪いとらえ方をすると、普通のキャラクターができない可能性があるということ。
しかし声優には演技という武器もあるので、声質を超える演技力を身に着けるとそれ自体がさらに強い個性となり、「あなたにお願いしたい」いわゆるご指名というのが来る場合もあります。
ただ失敗した時の目立ち方も普通の声の人以上ですから、結局は声質だけに頼らないで普通に努力している方が声優としての道が開けやすいです。
声質分析の方法
自分の声質を知る方法
- ボイスレコーダーに録音(はじめはスマホでもOK)
- 耳の穴に指を入れて体の中に響く音を聴く
- 友達や仲間に聞いてもらう
声質を知る方法はいくつかありますが、一番正確なのはボイスレコーダーに録音をして聞くことです。
自分の声を出して耳で聞く場合、体の中で響いている音も聞こえてしまうため、人が聞いている声と自分が出していると思っている声が違うことが多いです。
買うことができない場合はスマホのボイスレコーダーアプリで録音をしたものを聞くといいです。
もしスマホもない場合は、自分で聞く方法として有効と言われている、耳に自分の指を入れて声を聴く方法です。こうすると 若干ですが体内で響いている音を緩和して他の人に聞こえている声に近い音を聴くことができます。
自分で判断がつかない場合は友達や同期の仲間に聞いてもらうのもいいでしょう。
まとめ
自分の声が良くないという人もいますが、いい声をはじめから出せる人もいますし、出せない人もいるのは仕方ないので、それを知ってどうするかで変わっていきます。
いい声になりたければ頑張って練習に励んでみましょう!